2018年5月17日(木)
文民統制の原則否定
井上氏 自衛官の暴言問題追及
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野党議員に暴言を放った幹部自衛官が懲戒に至らない訓戒処分となった問題をめぐり、小野寺五典防衛相は15日の参院外交防衛委員会で「適正な処分が行われた」と述べました。日本共産党の井上哲士議員は、文民統制の原則を否定する暴言を一自衛官の問題に矮小(わいしょう)化するものだと批判しました。
防衛省が8日に公表した最終報告書では、自衛隊法58条の「品位を保つ義務」違反だとし、本人供述は野党議員に対し「政府・自衛隊が進めようとする方向とは違う対応が多いイメージで捉えていた」としています。
井上氏は「政府・自衛隊とは違う方向での指摘も含めて国会による文民統制であり、国民の声を背景にしたもの。政府に異を唱えるものは『非国民』として弾圧した歴史につながる」と強調しました。
また、河野克俊統幕長が昨年に憲法9条の自衛隊明記案を「非常にありがたい」と発言しながらも擁護されたことや、南スーダン・イラクの日報隠ぺいをあげて、「実力組織の自衛隊が海外の活動内容を隠し、国民と国会を欺いた。幹部の改憲支援発言が一自衛官として許容されたことが今回の問題につながっている」と指摘。文民統制に反する事態を生み出してきた安倍政権の責任は重大だと述べました。