2018年5月18日(金)
許すな疑惑にフタ・悪法強行
怒りの声を国会に集中しよう 志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で記者会見し、会期末まで1カ月となった国会について「この間の質疑を通じて、森友・加計疑惑がそれぞれきわめて深刻になっているにもかかわらず、政府・与党はその両方にフタをしたまま、一連の悪法を力ずくで押し通そうとしている」と強く告発し、「こんな暴挙を許すなという怒りの声を国会に集中しよう」と訴えました。また、新潟県知事選(24日告示、6月10日投開票)での野党統一候補の勝利のために全力をあげる決意を表明しました。
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志位氏は、森友疑惑では、政府・与党が改ざん前の決裁文書全文を18日までに提出するという約束をほごにして、23日に先延ばししたと批判。加計疑惑では、柳瀬唯夫元首相秘書官の参考人質疑での答弁が直後の中村時広愛媛県知事の発言で根底から覆された事態を受けても、野党の求める知事の国会招致を拒否していると批判しました。
さらに、政府・与党が「働かせ方大改悪」で、衆院厚生労働委員会で来週にも法案の採決を強行する構えだとし、「TPP(環太平洋連携協定)11」やカジノなど一連の悪法も強行しようとしていると指摘。「絶対に許すわけにいかない数の横暴だ。国政私物化と強権政治をごまかすために、隠ぺい、改ざん、ねつ造をやってきたが、疑惑にフタをしてさらなる暴走政治をやろうとしている」と強く批判しました。
こうした局面のもとで、志位氏は「市民と野党の共闘の力で、政府・与党の暴挙を許さず、一連の疑惑の徹底究明のために全力をつくしたい。怒りの声を国会に集中することを心から訴えたい」と呼びかけました。
新潟県知事選では、最大の争点になるのが東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非だとして、「検証なしの再稼働は認めない」というこれまでの県政の立場を継承・発展させて、必ず勝利をかちとりたいと表明。同時に、「新潟で勝利することは、隠ぺい、改ざん、ねつ造、強権の安倍政権に対する審判ともなる」と述べ、共闘の力を最大限に発揮して勝利のためにあらゆる力をそそぐ決意を表明しました。
「働き方」法案は撤回・差し戻しを
志位氏は、厚生労働省の労働時間調査で2割超の「異常値」が判明したことを受けて、加藤勝信厚労相が「差し引いても9千超のサンプルがあり、統計とは一定の姿だ」と述べていることについて、「驚きの発言だ。2割超も『異常値』があるということは、調査自体がずさんで異常であり、『異常値』でない残りの8割の数値も信用性がないということだ。これはまともな『統計』とはいえるものではない」と批判しました。
その上で、「この調査は法案をつくった労働政策審議会で『議論の出発点』と位置づけられていた。虚偽データにより法案全体の根拠が崩れている」と強調。「過労死遺族は法案反対を痛切に訴えている」として、「人間の命がかかった法案を、その前提が完全に崩壊しているままで強行などとんでもない。法案の撤回と労政審への差し戻しを強く求める」と力を込めました。