2018年5月23日(水)
高プロ制度削除要求
「働き方改革」「現代の奴隷労働だ」
参考人質疑
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衆院厚生労働委員会は22日、「働き方改革」一括法案に対する参考人質疑を行い、過労死遺族や労働組合代表の参考人から、与党が23日にも狙う採決の強行に反対し、高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ制度)の削除を求める意見が相次ぎました。日本共産党からは高橋千鶴子議員が質問に立ちました。
全国過労死を考える家族の会の寺西笑子代表は、「労働者はまじめで責任感が強いが、生身の体です。本人が望んでも周りが止めなければならない」と高プロ削除を訴えました。
全労連副議長・働くもののいのちと健康を守る全国センター事務局長の岩橋祐治氏は、「高プロは無制限の長時間労働が可能となる『現代の奴隷労働』だ」と批判。残業の上限規制についても「過労死を起こさないため、月45時間、年360時間までとすべきだ」と強調しました。
連合の神津里季生会長は、「高プロは実施すべきではない」と表明。残業の「上限規制」には合意しているものの、「(働き方改革)実現会議のなかで、(単月残業)100時間というのは違うんじゃないかと発言した」「100時間、(平均)80時間はあってはならない水準だ」と述べました。
経団連の輪島忍労働法制本部長は、「今国会で、法案成立をお願いしたい」と高プロ推進を表明しました。
高橋氏は、安倍政権が連合の要請で高プロを修正したとアピールしている点について、「高プロの本質は変わらない」と指摘。神津氏は、「高プロで過労死・過労自殺の懸念は増す。政府要請文にも、制度導入自体に反対だと明記している」と答えました。
高橋氏は、高プロが「時間と成果がリンクしない」と説明されていることについて、輪島氏に「使用者側として、成果に応じて賃金を上げるのか、それとも、残業代を出さないことで労働時間短縮を期待しているのか」と聞きました。輪島氏は、「国際競争の激化がある」などというだけで直接は答えませんでした。
高橋氏は、残業相当が月100時間に達してから医師面接するだけで十分なのか、労働時間の把握を労働基準法で義務付けるべきではないかと質問。岩橋氏は、「その通りだ。企業側の産業医では長時間労働を止められない。労働基準監督官の監督指導でやめさせないといけないが、高プロではできなくなる」と述べました。