2018年5月29日(火)
豊洲場外施設 「事業実施の決断困難」
万葉倶楽部が都に回答書
東京都築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)の場外に、都が開設を予定する集客施設「千客万来」の建設計画が難航している問題で、事業予定者の万葉倶楽部(本社・神奈川県小田原市)が28日、都に回答書を提出し、都による補償を前提に解約の検討は可能としました。
都は同日、関係局長会議を開き、小池百合子知事は「早急に都の結論を出したい」として結論を先送りすることを決めましたが、開設をめぐる双方の混迷ぶりが浮き彫りになりました。
都は2016年、公募で千客万来の事業者として万葉倶楽部を選定。飲食・物販と温泉付きホテルの複合施設として18年8月の一部開業を目指していましたが、いまだに着工の見通しは立っていません。
しかし、小池百合子知事が昨年6月、豊洲移転後に築地市場を「食のテーマパーク」として再開発する「基本方針」を発表したことに、万葉側が強く反発していました。
都が「5月28日までに回答がない場合、事業実施の意思を放棄するものと判断せざるを得ない」との文書を万葉側に送付したことに対し、万葉側は「一方的で一部高圧的」「現状のままでは事業実施の決断を下すことは困難」として、「都が結論を急ぐのであれば、これまで投下した実経費を補償の上、早期の解約を検討することは可能」としました。