2018年5月31日(木)
「働き方」法案 またデータ訂正
厚労相 精査拒否、強行採決後に報告
厚生労働省は30日、「働き方改革」一括法案の「出発点」である労働時間データにまたもや再集計ミスがあったとして、衆院厚労委員会理事会に訂正資料を提出しました。同委員会で加藤勝信厚労相が謝罪しました。同ミスの精査を加藤厚労相が拒否したまま法案を同委員会で強行採決(25日)したことの不当性が改めて明らかになりました。
厚労省は、労働時間データを再集計した全47種のシート中、13種のシートに精査結果の転記ミスがあったとしています。データは2割の異常値や二重集計などを削除して、数値が変動したのに平均が変わらないなど不審な点がありました。
25日の審議で野党が精査を強く求めましたが、加藤厚労相は「平均が同じになっても別におかしくない」と強弁し、高鳥修一委員長が「質疑は終了する。質疑終局に賛成の諸君の起立を求める」と与党・維新の賛成で審議を打ち切り、強行採決しました。
この日、加藤厚労相は「平均が同じになることもあり得ると論理的な議論をしたが、結果において重ねてミスがあったことは深くおわびする」と述べました。高鳥委員長は「データの誤りは委員長としても遺憾に思う。しかし、質疑時間は経過していた。法案採決は適正に行われた」と強弁しました。
日本共産党の高橋千鶴子議員は「今朝になってデータ訂正がくるというのは衝撃だ。25日の採決をやり直しとし、じっくり審議すべきだ」と強調しました。