しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月2日(土)

TPP来たら春来ない

参院本会議 審議入りで紙氏 首相を追及

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(写真)質問する紙智子議員=1日、参院本会議

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国による新協定「TPP11」の承認案・関連法案が1日の参院本会議で審議入りし、日本共産党の紙智子、井上哲士両議員が質問に立ちました。

 紙氏は、安倍晋三首相が「TPP断固反対」「アメリカ抜きのTPPはありえない」などといいながら、TPP参加を表明し、米国が離脱すると、米国の意向に沿って2国間交渉の枠組みをつくったことなどをあげ、「あなたの通商政策は国民を欺くばかりだ」と指摘。「米国が抜けたとはいえ、TPPの本質は全く変わらない」と述べ、「食の安全や医療、雇用、地域経済も脅かされ、農業は壊滅的な打撃を受ける」と批判しました。

 そのうえで、紙氏は日本の農業の生産基盤の弱体化や食料自給率の低下の実態を示し、TPPが拍車をかけると強調。TPP11の影響試算があまりにも過小な点を指摘するとともに、輸入品の検査の短縮など食の安全も後退させられる危険を告発しました。

 紙氏は、冬はいてつく厳寒の大地で農業を営む北海道の農家の声として、「今は大変だけど、春が来たら雪は解ける。だから頑張れる。しかし、TPPが来たら、春が来ない」との言葉を紹介。「これはオール北海道の思いだ」と述べ、政府の認識をただしました。

 紙氏が、日本への輸出が増えるとした、他国によるTPP11の影響試算を示すと、安倍首相は「前提や試算の根拠が明らかでない」として答弁を避け、農家の不安に向き合う姿勢を示しませんでした。


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