2018年6月3日(日)
米朝首脳 12日会談へ
トランプ氏言明 「最大限圧力」使わない
【ワシントン=池田晋】トランプ米大統領は1日、訪米中の北朝鮮の金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長とワシントンのホワイトハウスで会談しました。トランプ氏は会談後、一度は中止を表明した米朝首脳会談を当初の予定通り、12日にシンガポールで行うと記者団に明言しました。首脳会談では休戦状態にある朝鮮戦争(1950~53年)の終結合意が得られる可能性はあるとし、前向きな米朝関係が構築されつつあると述べました。
トランプ氏は、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長からの親書を英哲氏から受け取り、会談終了後、記者団に「とても素晴らしい書簡だった」と語りました。
首脳会談で焦点になる非核化をめぐり、トランプ氏は「北朝鮮がそうしたいのはわかっている」と理解を示し、「金正恩は慎重にやりたがっている」と一定の配慮も表明。12日の首脳会談の場で「何らかの合意に署名するつもりはない」と最終的な合意までさらに時間を要する可能性も認める一方で、首脳会談は「最終的には非常に成功する過程」の最初の一歩になるとの考えを強調しました。
また英哲氏とは朝鮮戦争の終結についても議論。トランプ氏は、首脳会談で朝鮮戦争を終結させるつもりかとの記者からの質問に「それはありうる」と指摘。会談前までにさらに議論する考えを示しました。
対北制裁は現状を維持し、交渉決裂までは追加制裁はしない意向を表明。「『最大限の圧力』という用語はもう使いたくない」と敵対姿勢を控える考えも示しました。
北朝鮮への経済援助をめぐっては、「米国が負担する必要があるとは思わない」と政府による直接支援は否定。日中韓の周辺国が負担するとの見通しを語りました。
日本人拉致問題を含む人権問題については、英哲氏との会談で「議論しなかった」と説明。首脳会談の場で「多分話すと思う」と述べるにとどまりました。