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2018年6月3日(日)

“豊洲新市場開場は無理”

東京 築地の行方シンポ

 東京都が築地市場の移転先とする豊洲新市場の問題点を検証し、卸売市場法改定問題について考えるシンポジウム「築地市場の行方」が2日、千代田区の明治大学リバティタワーで開かれ、約170人が参加しました。主催は「希望のまち東京をつくる会」。

 同会の宇都宮健児代表(元日弁連会長)が主催者あいさつし「小池百合子知事は、都民や市場業者への約束を投げ捨てて豊洲移転を進めているが、『築地ブランド』をつくる仲卸業者と日本の食文化を切り捨てるもの」と述べました。

 仙台市中央卸売市場水産物卸協同組合事務局長の菅原邦昭氏は「卸売市場は公正な価格形成を通じて地域経済と食文化を守る仕組み。築地市場を守ることは、東京を含めて全国の地域経済と卸売市場を守ることにつながる」と強調しました。

 建築エコノミストの森山高至氏は、豊洲新市場の(1)食の安全・安心は捨てた(2)効率的な物流が実現できていない―という問題点を強調。水産卸売場から仲卸売場までのターレによる移動が、築地より6倍も時間がかかることなどを明らかにしました。

 東京中央市場労働組合の中澤誠委員長は「移転は無理だ」という声が築地市場では上がっていると話しました。

 宇都宮、菅原、中澤、森山の4氏に加え、1級建築士の水谷和子氏、「築地女将(おかみ)さん会」の山口タイ会長ら3人の女将がトークセッションしました。水谷氏は、地下水管理システムで地下水位は下がっていないと指摘。女将らは「豊洲移転はできないことを確信した」と語りました。


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