2018年6月5日(火)
過労死の促進許さぬ
「働き方」法案 参院審議入り 山下氏が批判
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「働き方改革」一括法案が4日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の山下芳生副委員長が質問に立ち、残業代ゼロ制度(高度プロフェッショナル制度)を「過労死とサービス残業の合法化、促進だ」と批判。「誰もが8時間働けば普通に暮らせる社会こそ国民が求めている」と、同法案を廃案にするよう求めました。(関連記事) (質問要旨)
山下氏は、安倍晋三首相が「過労死の悲劇を二度と繰り返さない」と述べながら、法案に反対する過労死遺族との面会を拒否していることを批判しました。安倍首相は「厚労省が(対応を)承るものとした」と冷たく答えました。
残業時間の「上限規制」が単月100時間・平均80時間となっていることについて、山下氏は「過労死水準に国がお墨付きを与えている。月をまたいで業務が集中すれば30日間で160時間残業もあり得る」と強調。安倍首相は何の法的保障もないにもかかわらず、「100時間を安易に認めるということではない」と弁解しました。
高プロについて、山下氏は「企業にとって実労働時間管理も残業代支払いもなく、死ぬまで働かせても責任を問われない」と追及。「成果で評価される」という名目で長時間労働があおられるとただしたのに対し、安倍首相は「成果主義をあおるという指摘はあたらない」と根拠なく否定しました。
高プロは過労死認定も困難になるという指摘に、安倍首相は「入退館記録や同僚への聞き取りなど調査して認定する」と答弁。簡単に認定できないことを認めました。
安倍首相は、一定時間(残業100時間)で医師の面接指導を義務付け、何らかの措置がとられると言いますが、どんな措置かは企業任せです。山下氏の「200時間残業でも違法とならない」との指摘には答えませんでした。