2018年6月6日(水)
米、さらに譲歩要求も
TPP11 井上氏が危険を指摘
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日本共産党の井上哲士議員は5日の参院外交防衛委員会で、米トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)から離脱した背景に、多国籍企業と国民との格差拡大への反対世論があると指摘し、同政権が「米国ファースト」の立場で、TPP11を出発点に日本に対し2国間協議で譲歩を求めてくることになると懸念を表明しました。
井上氏は、米国のTPP離脱後、各国から規制撤廃などへの凍結要求が次々出され、22項目が凍結されたことに言及。一方、国民の暮らしに関わるさまざまな懸念が表明されていたにもかかわらず、日本政府は凍結を主張しなかったとして「国民の懸念を顧みないと言われても仕方ない経過だ」と批判しました。
井上氏は、米通商代表部の「2018年外国貿易障壁報告書」で、国民の命や食の安全に関わる農水産物などの項目が「日本の貿易投資障壁」として列挙されていると指摘。4月に合意した新たな日米経済協議で「こうした項目が協議対象になることは排除されないのか」とただしました。
内閣府の渋谷和久統括官は「議論の対象にしないとの合意はしていない」と述べました。
井上氏は、同報告書に沿って米国産の自動車の安全基準やコメの流通緩和など「日本が次々と譲歩してきた歴史がある」と強調。「TPP11が、米国が日本に『一層の譲歩を求める出発点になるのでは』という国民の懸念がある」と指摘しました。