2018年6月7日(木)
「すべての迎撃は困難」
ミサイル防衛網 防衛省文書に明記
穀田氏が指摘
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政府が北朝鮮の「脅威」を口実に導入を進めている「イージス・アショア」などミサイル防衛網に関し、防衛省が対応能力の課題として“すべての弾道ミサイルの迎撃は困難”と分析していたことが分かりました。日本共産党の穀田恵二議員が6日の衆院外務委員会で同省提出の内部文書を示し明らかにしました。「ミサイル防衛」の限界は以前から指摘されていましたが、防衛省の公文書に明記されているのが判明したのは初めて。
穀田氏は、昨年12月6日の「統合機動防衛力構築委員会」で使われた「事務連絡」と題する赤い表紙の「秘」指定文書を示し、「弾道ミサイル防衛について 課題」と記された項に北朝鮮から「飽和攻撃を受けた場合、全ての弾道ミサイルを迎撃することは困難」「ロフテッド(通常よりも高い角度で打ち上げる)軌道への対処能力が限定的」との記載があると指摘しました。
統機防委員会の委員長を務める山本朋広防衛副大臣は、文書について「真贋(しんがん)を含めてお答えできない」と答弁を避ける一方、ロフテッド軌道に関しては「確かに迎撃はより困難になる」と認めました。