2018年6月16日(土)
卸売市場法“骨抜き”
参院可決・成立 紙氏、反対討論
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改定卸売市場法などが15日、参院本会議で自民、公明、維新などの各党の賛成多数で可決、成立しました。日本共産党、国民民主党、立憲民主党、希望の会(自由・社民)などは反対しました。
日本共産党の紙智子議員は採決に先立つ反対討論で、改定法は、卸売市場の公的役割を後退させ「卸売市場の整備と取引規制という二つの柱を法律の目的から削除し、卸売市場法を骨抜きにするものだ」として、公平・公正な価格形成をする卸売市場の機能が損なわれると批判しました。
中央卸売市場の卸売業者に対する規制について、現行法は国が直接監督していますが、改定法では市場開設者が監督することになります。
14日の参院農林水産委員会の質疑で紙氏は、「卸売業者が開設者になったら、自分で自分を監督する。おかしい」と批判。国は卸売業務の一部停止命令を出した業者名を公表していますが改定後の対応をただしました。
農水省の井上宏司食料産業局長は、国が卸売業者を監督することはなくなり「卸売業者名を公表することはない」と答弁。行政のチェック機能が後退することが明らかになりました。
現行法では、卸売業者が仲卸業者以外へ販売することを禁止しています(第三者販売禁止)。紙氏は、第三者販売が自由化されれば、卸売業者が大手量販店などと取引すると指摘。「仲卸業者の経営を誰が保障するのか。仲卸の“目利きの力”が発揮できなくなる」と追及しました。
斎藤健農水相は、仲卸業者は価格形成をする重要な役割を担っているとしたものの「経営の保障はできない」と述べました。