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日本共産党

2018年6月16日(土)

実態が示す「働き方」改悪

過労死の53%“残業100時間未満”

森岡氏が集計

 「働き方改革」一括法案で、残業の上限規制として過労死ラインの時間が設定されています。安倍晋三首相は「過労死をなくす」と述べ、「労基法70年の中でも歴史的な大改革」といいますが、過労死ライン以下でも、過労死が続発しているのが実態です。

 一括法案は、世論と運動に押されて罰則付きの上限を盛り込みました。しかし、月45時間、年360時間を上限としながら、その例外として、単月100時間未満、2~6カ月の平均で80時間という過労死ラインまで認めています。年間では休日労働も含めて960時間まで可能です。

 森岡孝二・関西大学名誉教授のまとめによると、過労死ライン以下の脳・心臓疾患による過労死が48%、精神障害による過労自殺は58%、あわせて53%と多発しています。(表参照、2011~16年度の累計)

 過労死の認定基準は月45時間を超えて残業時間が長くなるほど、脳・心臓疾患や精神障害の発生する危険が強まることから設定されたものです。過労死認定基準をもって残業の上限とすることは、法律で過労死の発生を容認するものです。

 森岡さんは、「労働時間は、『人たるに値する生活』を営むことを可能にする時間であるべきです。それが過労死ラインでよいのでしょうか」と指摘し、「週40時間、1日8時間にいかに近づけるかを真剣に考えるべきです」と強調します。

 過労死弁護団全国連絡会議は、現行の認定基準を月65時間以上に短縮するよう要求しています。韓国では、発症前12週間で労働時間が週平均52時間超とし、これ以下でも業務内容によって認定する基準に改めました。

 日本共産党は、残業の上限を例外なく週15時間、月45時間、年360時間とすることや、終業から始業まで連続11時間の休息を保障する勤務間インターバルの法制化などを提案しています。

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