2018年6月16日(土)
労基署の民間委託 批判
高橋氏 「監督業務に抜け穴」
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日本共産党の高橋千鶴子議員は8日の衆院厚生労働委員会で、労働基準監督署業務の民間委託問題を取り上げ、「監督業務に抜け穴をつくることは認められない」と強調しました。
厚労省は7月から全国の労基署で、残業を取り決める三六協定を届け出ていない事業所に対する自主点検票送付や回答取りまとめ、任意の相談事業などを民間委託します。
高橋氏は、労基署には抜き打ち調査があり、民間による先行調査で阻害される恐れがあると厚労省自身が言ってきたと強調。加藤勝信厚労相は「監督官の権限に基づく部分はゆずらない」と答弁しましたが、高橋氏は「規制改革会議タスクフォースの八代尚宏氏は臨検業務まで委託化を主張している。それでは監督業務を守れない」と指摘しました。
高橋氏は、委託先として社会保険労務士が有力視されているが、「社員をうつ病に罹患(りかん)させる方法」を自身のホームページに公表した社労士や、労使交渉を阻害して警察に書類送検された社労士らもいると指摘しました。
加藤厚労相は「懲戒処分を受けていれば適切な者ではない」というだけで、悪質な社労士を排除する保障は示せませんでした。高橋氏は「全国社労士会は、無料の『労務診断ドック』を行っている。そういう取り組みへの支援にとどめるべきだ」と述べました。