2018年6月21日(木)
TPP11発効に反対
参考人“農業・生活に影響深刻” 参院委
田村智子氏質問
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米国を除く11カ国の環太平洋連携協定(TPP11)関連法案について参考人質疑が19日、参院内閣委員会で行われました。参考人からは、農業や国民生活に深刻な影響が指摘され、TPP11発効に反対する意見が相次ぎました。
九州大学大学院農学研究院の磯田宏教授は、TPP11には発効後さらに市場開放を迫られるメカニズムが組み込まれたままだとして「現在の約束による農産物市場開放では済まされない危険が極めて高い」と指摘。さらに、2国間市場開放を迫る米国の圧力も加わり、「『TPP11+日米2国間』の市場開放に帰結する可能性が高い」と警告しました。
農民運動北海道連合会の山川秀正委員長は「いま、がんばっている北海道の農業者は、幾多の試練を乗り越えてきた、いわば『つわもの』ともいえる農業者ですが、TPP11でさらに大きな網のふるいにかけられるのではないかと懸念している」と指摘。政府が掲げる農業の「体質強化策」についても「支援の対象が規模拡大一辺倒だ」と批判し、現状維持で経営を続けようとしている農業者は受けることができないと懸念を示しました。
日本共産党の田村智子議員が、政府が農林水産物の輸入・輸出の試算もせず、ほとんどの品目で影響はゼロとしていることについて質問すると、山川氏は「耳を疑う。何を根拠に試算しているのか」と厳しく批判。また、「大規模化」の問題点について、企業参入によって農地が資本に買い占められることへの懸念を表明し、「さまざまな形態の農業経営が生き残ってこそ北海道の地域社会、地域経済の発展になる」と述べました。