2018年6月22日(金)
性的少数者の差別解消めざす都条例案
禁止規定設け実効性を
当事者団体・メディアが学習会
性的少数者の当事者団体や支援者有志でつくる「なくそう! SOGI(ソジ)ハラ」実行委員会は21日、LGBTなど性的少数者への差別解消を目指す東京都条例案について、メディアとの合同学習会を都内で開きました。
同実行委員会は、SOGIにまつわる差別や問題ある言動、不当な待遇などを「SOGIハラ(ハラスメント)」と名付け、なくすための法整備に向け活動しています。
東京都は、2020年の東京五輪・パラリンピックを視野に入れ、性的少数者への理解促進と差別解消を盛り込んだ条例の制定を目指しています。
学習会で、労働政策研究・研修機構の内藤忍副主任研究員は、差別禁止の規定がなく加害の根拠が示せないと指摘し「いまの条例案では実効性がない。少数者の声は小さいが、苦しんでいる人や困っている人がいることは事実。禁止規定は必要だ」と話しました。
日本大学の鈴木秀洋准教授は「性的指向・性自認は憲法の幸福追求権のど真ん中の問題だ」と述べ、自身が関わった文京区男女平等参画推進条例の制定を例に講演。苦情を受け付ける窓口や、当事者の参画がないことが課題だとしました。
同実行委員会の神谷悠一さん(LGBT法連合会事務局長)は「都と国の動向は密接しており、条例は重要な位置づけにあります。多くの人に問題点を知ってほしい」と話しました。
SOGI 好きになる相手の性別である「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分をどのような性だと認識しているかの「性自認(Gender Identity)」の頭文字で、全ての人が持つ特性の概念を指します。