2018年7月20日(金)
災害発生しても立法根拠崩れても カジノ法案 採決強行
参院委 自公維賛成で可決 与党 きょうの成立狙う
野党は抗議 田村智子議員が反対討論
刑法が禁じる賭博を解禁するカジノ実施法案の採決が19日の参院内閣委員会で強行されました。野党側の抗議の中、自民、公明、維新各党の賛成で法案を可決しました。政府・与党は西日本豪雨による甚大な被害が発生する中でもカジノ法案の審議を優先。20日の参院本会議で採決を行い、成立させる構えです。国会周辺では、猛暑のなか、廃案を求める市民らが抗議の声をあげました。
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19日は、内閣委での採決が狙われる中、日本共産党、国民民主党、立憲民主党、希望の会(自由・社民)、沖縄の風の5野党・会派が伊達忠一参院議長の不信任決議案を提出。内閣委はいったん休憩となりました。決議案は参院本会議で与党などの反対で否決されました。その後に再開された内閣委では柘植芳文委員長が冒頭から質疑終局を宣言。野党が抗議する中、採決が行われました。
反対討論に立った日本共産党の田村智子議員は、ギャンブル依存症の社会的悪影響と家族の苦しみを指摘。カジノ法案の根拠となった議員立法の提案者に米国のカジノ企業関係者が脱法的な資金提供をしていたことも明らかになったとして、「立法の根拠に重大な疑惑がある」と強調しました。
田村氏は、「カジノは人のお金を巻き上げるだけのゼロサムゲームだ」として、観光振興にも経済成長にもつながらないと指摘。カジノ法案は、日本人から吸い上げたお金を海外資本に提供する「『売国』法案そのものだ」と批判しました。
田村氏は、歴史上初めて民営賭博を解禁するカジノ法案の違法性は極めて高いと述べ、「憲政史上、まれにみる悪法を誕生させるわけにはいかない」と強調しました。