2018年7月24日(火)
豪雨被害の広島見舞う
日本原水協 安井事務局長のリポート
復旧に向け全国的な支援が行われている西日本豪雨の被災地。原水爆禁止2018年世界大会(8月2~9日)が開かれる広島へ19日に入った日本原水爆禁止協議会(日本原水協)の安井正和事務局長にリポートしてもらいました。
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広島県原水協の古田文和事務局長と一緒に、広島市内の被爆者団体にお見舞金を届け、関係団体に世界大会実行委員会の「アピール」を持参して、災害へのお見舞いと世界大会への協力を要請しました。
広島県被団協の佐久間邦彦理事長は、お見舞いへの感謝とともに豪雨被害について、「県被団協の関係者では会計監査の人が床上浸水の被害にあいました。県内に5万人以上いる被爆者が被害にあっていないか心配しています」と述べました。
私は、目前に迫った原水爆禁止世界大会への政府代表の参加や、大会プログラムについて説明。佐久間さんは「こういう時だからこそ、日本全国、世界が連帯を築く重要な大会となると思います。世界大会を成功させるために、広く呼びかけていくし、そのために協力したい」と語りました。
「呉に住んでる被爆者が心配」
広島県被団協(坪井直理事長)では、前田耕一郎事務局長にお見舞金を手渡しました。前田さんは「三原に住む農家の会員は、収穫したばかりのお米の倉庫が水に漬かりました。約300人の会員がいる呉市が心配です」と話しました。広島県労連を中心にした「災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会」(全国災対連)も活動して、ボランティア活動を行っていることも紹介し、支援の気持ちを伝えました。
「訪問を受けて力尽くしたい」
他の団体も訪問しました。広島市内の日本共産党東地区委員会、労働者学習協議会、建交労広島県本部、うたごえ協議会にお見舞いをのべ、世界大会成功への協力を要請しました。
「7月15日に予定されていた日本共産党の演説会が中止になったので、世界大会はどうなるのかと思っていた。訪問を受けて、平和行進や灯篭(とうろう)流しも担当しているので大会成功に力を尽くしたい」(建交労)など、世界大会成功への決意が語られました。
大きな被害を受けた東広島市に向かい、東広島原水協の事務局長夫妻と理事夫妻にお見舞いをすることができました。4人とも同原水協の活動を担う重要な人たちです。世界大会実行委員会の「アピール」を渡して、豪雨被害の実情を聞きました。
東広島市では市内を流れる黒瀬川の氾濫により、死者12人、行方不明1人、全壊・半壊家屋60棟、床上浸水111、土砂災害39カ所(19日現在、広島県ホームページ)という大きな被害が出ていました。
事務局長は、「あと1時間降り続けたら、自宅も被災していた」と語り、今後の支援を強めてほしいとの要望が出されました。
世界大会成功へ 懇談・要請
原爆展に多くの市民来場
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世界大会にむけた活動では、豪雨災害という困難な中でも市民の後押しを受けて奮闘しています。東広島原水協は、7月初めから、市内5カ所で「原爆展」を計画。初日の6日は集中豪雨と重なり、中止しようとしましたが、会場(黒瀬生涯学習センター)に市民が集まってきたこともあり、大雨洪水特別警報が出された7日午前中は中止したものの、8日の午後5時まで開催しました。2日半でのべ155人が来場し、「ヒバクシャ国際署名」28人、カンパ9318円が寄せられました。スーパーの閉店や品切れの中、手作りおむすびの差し入れもあったそうです。
9日から12日まで東広島市役所で「原爆展」を計画通り開催しました。り災証明手続きもあり、1階ロビーから10階に会場を移動しましたが、5日間でのべ208人が来場し、アンケート42人、署名59人、カンパ2063円が寄せられました。「原爆と人間」パネルとともにセツコ・サーローさんのノーベル賞受賞のスピーチを大きな紙に毛筆で書いて展示しました。
この「原爆展」を力にして、7月末の平和行進を成功させること、世界大会には、在来線が一部不通となっていることもあり、2台のワゴン車で参加する計画です。同原水協の理事は、「豪雨災害にあった人たちへの支援と連帯の大会にしたい」と期待を述べました。