2018年7月24日(火)
西日本豪雨
生業「むちゃくちゃだ」
ブドウ腐り機械壊れ 岡山
西日本豪雨による生業(なりわい)への被害の全体像の把握はまだ、これからです。政府は農林水産業被害について、22日に1197億円9千万円と発表しましたが、広島、岡山両県などの被害把握はこれからで、額はさらに膨らみます。生業回復への支援が求められています。
再建どうすれば……
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西日本豪雨で小田川の3カ所が決壊し、500世帯以上が浸水した岡山県矢掛町で、日本共産党の石井信行町議は23日、被災した町民を見舞いました。
同町は甚大な被害を受けた倉敷市真備町の西に隣接し、小田川が町の中心部を流れます。ボランティアの活躍もあってゴミの運び出しは進み、仮置き場に災害ごみが積み上がっています。田んぼに土砂が流れ込んだままの所が残ります。浸水家屋について石井町議は「片付いているように見えても家財道具も何もなく、生活再建はまだまだ」と言います。
専業農家の男性(70)のブドウ畑は一部のブドウ棚が完全に水没しました。棚は下がった状態になり、泥のにおいがします。大きく育った特産のピオーネはお盆前後に出荷予定でしたが泥をかぶってしまいました。かぶせた袋を開けるとブドウは腐っていました。
その上ポンプ、タンク、ホースなどの灌水(かんすい)設備や耕運機も壊れました。「全部わや(むちゃくちゃ)じゃ。ブドウは洗ってみたが出荷はできん。補償もないと思う」と話しました。
男性(64)の自宅は小田川沿いにあり、背の高さまで浸水しました。片付けは進んでいましたが、築95年の伝統的な民家の床板は剥がれて土壁部分は崩れていました。家族はアパートに仮住まいしています。男性は「再建するいうても、どうなろうに(どうしようもない)。南海トラフ地震には持たん。移住を考えている」と話しました。
石井町議は「住まいや生業に対する支援が不可欠。安心して住むためには小田川と支流を含めた高梁川水系の総合的な管理が必要です」と話しました。(岡山県・小梶花恵)