2018年7月24日(火)
西日本豪雨 養殖魚4万9300匹死ぬ
愛媛
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マダイの養殖・天然ともに生産量で全国屈指の愛媛県。西日本豪雨による水産業への被害は、これまでにわかっただけで漁港や水産物など約3億1400万円にのぼっています。さらに、豪雨の影響による赤潮の拡散で生じた養殖業への被害約5000万円が追い打ちをかけています。
県水産課によると豪雨の影響で、宇和島市と西予市の宇和海で6月中旬から発生していた魚に被害を及ぼす赤潮がさらに広範囲に広がり、養殖マダイやブリなど約4万9300匹が死にました。
宇和島市吉田町の海沿いに暮らす50代男性は「今は落ち着いたが、災害発生後、しばらくして海が臭くなってたまらなかった」と言います。
同町で漁師になって10年の男性(34)は、養殖のタイが大量死して被害額は約1000万円にのぼると言います。「海に流入した泥水が赤潮と混ざって養殖いかだまで流れつき魚が酸欠状態になったようだ。仕事を立て直すには稚魚を新たに買って一から育てなくてはいけないが、出荷に2年半はかかる」と肩を落とします。
養殖の漁師として40年働き、今は息子が継いだという男性(68)も、タイやスズキ、シマアジなど被害は1000万円を超える可能性があるといいます。
「一時は息子に、養殖をやめようとも話したが、何とか全滅を免れた。莫大(ばくだい)すぎる被害だが、暮らしを再建するには養殖を続けるしかない」と語りました。(秋山豊)