2018年7月25日(水)
ヤマト 引っ越し過大請求
法人向けで17億円 被害2640社 日曜版スクープ認める
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運輸大手ヤマトホールディングス(HD)の山内雅喜社長は24日、都内で記者会見し、法人向け引っ越しを手がける子会社が代金17億円を過大請求していたと発表しました。「しんぶん赤旗」日曜版(7月1日号)の「引っ越しの荷物量を水増しし、料金を過大請求している」との報道を受け、社内調査していたものです。
過大請求が明らかになったのは、ヤマトグループで引っ越し事業を展開するヤマトホームコンビニエンス(YHC)。YHCが一昨年5月から先月までの約2年間に、引っ越しサービスを請け負った3300社余のうち7割以上にあたる2640社に、総額17億円の過大請求をしていたことを認めました。
ヤマトHDの山内社長は「(業務内で)指示がなかったとは断言できない。調査委員会で究明したい」と述べ、「ヤマトに寄せていただいた信頼を裏切り申し訳ない」と謝罪しました。被害企業には謝罪しており、今後返金にも応じるとしています。
日曜版(7月1日号)では、YHC社の元四国法人営業支店長の槙本元(はじめ)さん(65)が実名で登場し、少なくとも2010年ごろから引っ越し代の過大請求をしていたと告発しました。
槙本さんによると、YHC社の各地の支店は、引っ越しの荷物量を水増しし、顧客に料金を過大請求していました。過大請求は、実際の荷物量を記した「作業連絡票」と呼ばれる書面から裏付けられました。この「作業連絡票」は「使い終わったら必ずシュレッダーに」と書かれていました。これらの「作業連絡票」は各地の支店で共通でした。
記者会見でヤマトHD山内社長は「(不正は)全国に広まっていた」と述べました。
槙本さんは在職中の2010年から社内で何度も不正を告発。ヤマトHDは会見で内部告発があったことを認めました。今回の調査対象は2年分にとどまっており、被害はさらに拡大するとみられます。
槙本さんは監督官庁である国土交通省にも告発しましたが、同省はそれを放置しており、責任が問われます。