2018年8月20日(月)
主張
日本母親大会
女性たちの連帯が社会動かす
第64回日本母親大会(同実行委員会主催)が25~26日、初めて高知市で開かれます。核兵器廃絶や朝鮮半島の非核化などをめぐり、激動の中での開催となります。
平和も個人の尊厳も
人類史上初めて核兵器を違法とする核兵器禁止条約が国連で採択されて1年が経過し、条約発効へ向け世界各国で署名・批准が始まっています。危機的状況だった朝鮮半島情勢をめぐっても南北首脳会談、米朝首脳会談が行われ、非核化と平和体制に向かうプロセスが開始されました。
「核戦争から子どもを守ろう」にこそ母親大会の原点があります。アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験に対し、1955年、再び戦争と核兵器によって子どもたちの命を奪わせてはならないと女性・母親が立ち上がりました。
今年の地方母親大会では“核兵器禁止条約を批准しよう”“憲法9条改悪を許さず、憲法が生きる平和な社会をつくろう”と熱い思いが共通して語られています。
草の根の願いは、平和と暮らし、子どもの育ち、環境など多くの分野にわたります。語り合いを要求実現の行動につなげ、行動は社会と政治を見据える力となってきました。
対話と共同を広げてきた女性たちは、原発の再稼働を許さない行動や沖縄・新基地建設反対の運動でも、「生命を育て、生命を守る」ために強い怒りと絶対にあきらめない意思をもって、たたかいの一翼を担ってきています。
安倍晋三政権は国民世論に背を向け、「森友・加計」問題でウソと隠ぺいを繰り返し、「働き方」改悪法やカジノ法の強行など暴走を重ねています。女性に対する深刻な差別や人権無視が、日本の民主主義のゆがみと、世界でも異常な「ルールなき資本主義」がもたらした矛盾のもとで、横行しています。
母親大会は、女性と子どもの平等と人権、尊厳を守る課題でも議論・交流を重ねてきました。今年はとくに女性の人権をめぐる社会的な怒りの高まりと、たたかいの新たな発展の中で開かれます。
性暴力被害やセクハラを受けた女性の勇気ある告発、セクハラを許さない社会をつくろうとの取り組みは、社会のあり方と意識を変える転機になろうとしています。
ところが自民党幹部や国会議員から、女性を子どもを産む「道具」とみなす暴言や子どもを産まない・産めない人や性的少数者への差別的言動が繰り返されています。東京医科大学の入試での女性合格者数を抑え込む不当な操作などは、女子学生の学ぶ機会を奪い排除する女性差別として世界から驚きをもって批判されています。
基本的人権と個人の尊厳、両性の平等を明記した憲法が施行されてから71年―。女性の人権を保障し、民主主義を発展させるための女性たちの共同を一層前進させることが求められています。
新たな共同への期待
西日本豪雨で甚大な被害を受けた四国で開催される母親大会を成功させ、被災地の復旧・復興の力にしていくことも重要です。
母親大会が、各分野からの「安倍政権NO」「憲法を暮らしに生かし、平和で明るい未来を」「女性の尊厳を守る社会に」の声と行動を大きく結集し、新たな共同への確かな希望と展望をひらく大会となることを期待します。