2018年9月7日(金)
停電で生活・生業危機
紋別 牛の乳搾り、手作業で
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北海道地震の震源地から遠く離れた紋別市でも停電が発生し、生活と生業(なりわい)が危機にさらされています。
酪農での牛の乳搾りは電動のミルカーと呼ばれる機械で行いますが、停電で使えません。乳牛は乳を搾らないと、病気になり、死んでしまいます。
ホルスタインの乳を搾り、ミルクジャムをつくっている男性(69)は「手で乳搾りしないといけないが、五十肩が痛くてうまく搾れない」といいます。搾った牛乳を殺菌処理するにも、できた製品を保管するにも電気が必要ですが、それもできません。
男性「特に100頭単位で飼っている大規模農家は死活問題だ。自動発電機を組合で各農家に回して使っているが、到底間に合わない。ミルクの廃棄もこれから起こってくる」といいます。
スーパー、コンビニの品物も残り少なくなっています。ガソリンスタンドは閉店が多く、大きなスタンドは災害関係者限定で営業しています。一般車への給油はありません。エッソガソリンスタンドの店主は「石油組合で調整し、うちは市役所と浄水場関係のみにガソリンを提供している。在庫のガソリンはほぼ底をついている。ガソリン補給が明日くるのか、今の段階で連絡はない」といいます。
障害者の通所施設も閉所。職員(37)は「1日、2日ならいいが、長期化すれば障害者の状態にも影響が出る」と心配します。
日本共産党の野村淳一市議は介護が必要な人、高齢者らを訪問して回りました。「停電が続けば影響は大きくなる。なぜ全道が停電になってしまうのか。検証を求めたい」と話しています。
(柴田善太)