2018年9月11日(火)
豊洲開場 農水省が認可
土壌汚染はそのまま
農林水産省は10日、東京都が築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)の開場を認可し、都中央卸売市場の村松明典市場長に斎藤健農水相の認可書を交付しました。(関連記事)
農水省は同日、食料・農業・農村政策審議会の食料産業部会を開き、中央卸売市場整備計画の変更を適当と答申していました。
小池百合子都知事は認可を受けて、都庁で「豊洲市場が中核的な市場に育つよう、地域、業界の方々と育てていきたい」と述べました。
同市場では、土壌汚染が深刻な問題となっており、都は有害物質を除去して「無害化」すると約束しましたが、失敗。2016年9月には、都が、土壌汚染対策の建物地下の盛り土をせず地下空間を造っていたことが、日本共産党都議団の調査で発覚しました。
小池知事は同年8月、土壌汚染問題などを理由に移転を延期。17年6月の市場移転の基本方針では「築地は守る」として築地の市場機能を維持するとしました。
ところが、その約束をほごにし、「無害化」方針も放棄。専門家会議が提言した盛り土に代わる追加対策工事が今年7月に完了したのを受けて根拠のない「安全宣言」を行い、8月に豊洲の開場認可を申請しました。
都は、市場業者の合意も得ないまま、10月11日に豊洲新市場を開場するとしています。
しかし、地下水からは依然、環境基準の170倍のベンゼンを検出。市場業者でつくる「築地女将(おかみ)さん会」、築地市場営業権組合、日本消費者連盟、共産党都議団などは、都に認可申請取り下げを求めていました。