2018年9月14日(金)
重大な外交的失態 安倍首相に外交担う資格なし
日ロ領土問題 志位委員長が厳しく批判
|
日本共産党の志位和夫委員長は13日、国会内で記者会見し、ロシアのウラジオストクで行われた「東方経済フォーラム」(12日)で、プーチン大統領が、安倍晋三首相らを前に、「年末までに前提条件なしで(日ロ)平和条約を結ぼう」と呼びかけたのに対して、首相が反論・異論を唱えなかったことについて、「重大な外交的失態だ。安倍首相に外交を担う資格はない」と厳しく批判しました。
志位氏は、「平和条約の締結は両国間の国境の公式の画定という意義をもち、『条件なし』での平和条約締結は、領土要求の全面放棄となる。1956年の『日ソ共同宣言』以降の歴代日本政府の立場すら自己否定することになり、ロシア側の主張への全面屈服になる。そんなとんでもないことを目の前で言われ、反論はおろか異論一つのべないとは、何という屈辱外交、国辱外交か」と非難。
さらに志位氏は、「安倍首相の対ロ外交のこうしたぶざまな醜態の根本には、『国後、択捉は千島列島にあらず。だから返還せよ』という日本政府の主張が、歴史的事実にてらしても、国際法上も通用しない主張であるという問題がある。道理のない主張を掲げながら、『ウラジミール』などと愛想をふりまいたところで、プーチン大統領に、なめられるばかりであり、領土問題は一歩も前進しない」とのべました。
また志位氏は、安倍首相が「成果」を誇る「共同経済活動」について、「やればやるほど4島に対するロシアの統治を政治的・経済的に後押しするだけであり、領土問題の解決につながるどころか、その解決をいっそう遠のかせるだけのものだ」と重ねて批判しました。
志位氏は、「日ロ領土問題の解決のためには、『領土不拡大』という第2次世界大戦の戦後処理の大原則を踏みにじって、1945年の『ヤルタ協定』で『千島列島の引き渡し』を決めた歴史的不公正に対して、正面からメスを入れる立場での交渉が必要だ。その立場がないばかりか、戦後の日本政府の方針すら投げすてて平和条約を結べば、国を永久に切り売りすることになる。そんなこともわからない安倍首相には、日ロ領土問題に手を付けないでほしい。お引き取り願いたい」と力を込めました。