2018年9月24日(月)
戦争目的の研究 従わないために
日本学術会議がフォーラム
審査方針などつくる動きも
日本学術会議は22日、東京都内で「軍事的安全保障研究をめぐる現状と課題」を考える学術フォーラムを開き、軍事目的の研究を否定する昨年3月の同会議声明がどう具体化されているか、大学や研究機関へのアンケート結果を踏まえて今後の課題を議論しました。
山極寿一会長(京都大学学長)が「戦争には平和を維持する役割もある」という考え方を批判。「歴史に学び、『戦争目的のための研究に従わない』ために議論を重ねたい」とあいさつしました。
声明は、各大学や学協会に、軍事研究にあたらないかの審査制度やガイドラインの設置を求めています。佐藤岩夫東京大学教授は、今年2、3月に実施したアンケート結果について「声明を受けて約7割が何らかの対応をするなど、審査方針・手続きをつくる動きが着実に広がっている。一方で国立研究機関については取り組みが遅れている」と報告しました。
アンケートに寄せられた意見を踏まえて、審査制度の標準モデルを作ってほしい、研究資金の出所で判断するのか研究成果の応用の段階で規制するのか、などの論点について議論が交わされました。
琉球大学、関西大学、日本天文学会からそれぞれの取り組みが紹介されました。