2018年10月16日(火)
介護職員の処遇改善検討
「対症療法的」批判も
厚生労働省は15日の社会保障審議会介護給付費分科会で、介護現場で働く人の処遇改善について、看護職やリハビリ職など介護専門の職員以外の従事者にも事業所の判断で拡充できるよう検討するとしました。
委員からは拡充に反対する意見は出なかったものの、拡充が来年の消費税10%増税と引き換えであることについて「対症療法的だ。消費税引き上げを伴うような報酬改定では、(業界で働き続けるという)将来は描けない」(高齢社会をよくする女性の会)との批判が上がりました。
安倍政権は、臨時の介護報酬改定などで月平均5・7万円の処遇改善を行ったと誇っていますが、新たな加算を設けても基本報酬の大幅な引き下げが事業所の経営を圧迫し、抜本的な処遇改善にはつながらず、介護職員の平均給与は他産業と比べ依然月10万円近く低いままです。
2017年度の臨時報酬改定で、介護職員の経験年数や能力に応じて昇給する仕組みをつくった事業所は、新たな報酬を得られるようにしました。今回の見直しでは、加算分を、事業所の判断で介護職員以外の職員の処遇改善にも充てられるよう検討するとしています。
委員からは、処遇改善だけでなく、介護業界で定着できる仕組みづくりや、職場環境改善など含め、業界自体の魅力を高める抜本的な取り組みが必要だと意見が相次ぎました。