2018年10月19日(金)
消費税増税 「低所得者に配慮」と言うが
複数税率でも格差拡大
本紙試算
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安倍晋三首相が改めて表明した来年10月の消費税増税で、食料品などを8%に据え置く「複数税率」を導入しても、貧富の格差がさらに拡大することが、本紙の試算で明らかになりました。
消費税率8%の段階で、年収2000万円以上の世帯における消費税負担率は1・5%、同200万円未満の世帯では8・9%と7・4ポイントの差でした。一方、消費税率を10%(複数税率適用)にした場合、年収2000万円以上の世帯では1・8%、同200万円未満の世帯では10・5%でその差は8・7ポイントと開きます。
試算は総務省「全国消費実態調査」(2014年)を使い、2人以上の世帯について年収に対する消費税の負担率を算出しました。
なお、年収200万円未満の世帯で消費税負担率が消費税率を超えるのは、貯蓄を取り崩して生活しているためです。
政府は消費税率10%への増税を強行するにあたって、「低所得者に配慮する」ために「複数税率」を導入するとしていますが、収入の低い世帯ほど高負担となる「逆進性」がさらに悪化することは明白です。