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2018年10月29日(月)

米ユダヤ教礼拝所銃撃

11人死亡 憎悪犯罪で捜査

 【ワシントン=遠藤誠二】米北東部ペンシルベニア州の都市ピッツバーグで27日、男がユダヤ教礼拝所(シナゴーグ)で銃を乱射し、11人が死亡する事件が起きました。

 地元警察によると、男は白人のロバート・ボウワーズ容疑者(46)。ユダヤ教の安息日にあたる土曜日、礼拝中のシナゴーグ、「ツリー・オブ・ライフ」に入り、「すべてのユダヤ人は死ね」と叫び発砲したといいます。所持していた武器は攻撃用ライフル1丁と拳銃3丁。攻撃用ライフルはフロリダ州の高校で17人が犠牲となった銃乱射事件でも使われた「AR15」です。銃社会米国の深刻な実態が改めて浮かび上がりました。

 かけつけた警察官と撃ち合いになり、その後、投降しました。事件で、警察官4人を含む6人が負傷しました。

 米メディアによると、容疑者は27日朝、インターネット交流サイト(SNS)に、ユダヤ人は「侵略者を招き入れ、われわれを殺している。虐殺を見過ごせない。突入する」などと表現し、犯行をほのめかす投稿を行っています。連邦検察局は、ヘイト・クライム(憎悪による犯罪)や銃犯罪などで訴追。連邦捜査局(FBI)は容疑者の自宅などの捜索を進めています。

 事件を受けてトランプ大統領は、「邪悪な反ユダヤ主義の攻撃は人類に対する攻撃だ。われわれは団結して憎悪を克服しなければならない」とツイッターに投稿するとともに、記者団にたいし、「礼拝所内でなんらかの防護策が講じられていたら違った状況になっていたかもしれないが、そうはなっていなかった」と述べ、武装警備員の配置という根本的な銃規制とはかけはなれた所見を語りました。

 27日夕方から、事件現場となったツリー・オブ・ライフ前には市民ら数百人が集まり、犠牲者を哀悼する祈りの式が行われました。


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