2018年10月31日(水)
徴用工への賠償命じる
新日鉄住金に韓国最高裁「反人道的だ」
韓国の最高裁判所は30日、日本がアジア太平洋地域を侵略した太平洋戦争中に「徴用工として日本で強制的に働かされた」として韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)に損害賠償を求めた裁判で、1人当たり1億ウォン(約1000万円)の賠償を命じる判決を言い渡しました。原告4人のうち3人は提訴後に死去しています。(関連記事)
新日鉄住金は、元徴用工の請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みだと主張しましたが、判決は個人請求権が消滅していないと認定。さらに「原告の損害賠償請求権は、朝鮮半島に対する不法な植民地支配および侵略戦争遂行と直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とする慰謝料請求権」だと判断し、請求権協定の適用対象とは別の性格の請求権だと指摘しました。
新日鉄住金は時効の成立も主張しましたが、「賠償請求権の時効の主張は信義誠実の原則に反する」として退けました。
韓国で元徴用工への賠償を日本企業に命じる判決が確定したのは初めてです。原告4人のうち2人は、1997年に損害賠償を求めて日本の裁判所に提訴しましたが、2003年に最高裁で敗訴が確定。2005年に他の被害者とともに韓国の裁判所に提訴しました。