2018年11月3日(土)
シリーズ 許すな「派遣切り」再来
過去最高益で派遣打ち切り
ソニー仙台TEC 労組「雇用守れ」
電機大手ソニーの仙台テクノロジーセンター(仙台TEC、宮城県多賀城市)の約200人の派遣労働者に対して、派遣契約の打ち切りや自宅待機が相次いでいることが2日、分かりました。職場に10年前の「派遣切り」再来の危機感が高まっており、ソニー労働組合仙台支部(電機連合加盟)は、会社は過去最高益だと指摘し、雇用を守れと訴えています。
仙台TECでは高性能磁気テープを製造。10月前半から製造ラインが停止し、11月から自宅待機や派遣契約が打ち切りになる人もいます。派遣会社が新たな派遣先を紹介しなければ解雇・雇い止めの危険があります。
派遣労働者の男性は、「ソニーが磁気テープ増産を目標にしているのを信じて、不安に耐えていましたが、みんな、意気消沈しています」と話します。東日本大震災で勤務先が倒産し、たどり着いたのがソニーの派遣でした。
しかし、ソニーは、安倍政権が改悪した派遣法に基づき、10月から派遣可能期間を3年延長し、直接雇用にしていません。
改悪派遣法では、派遣会社の正社員(無期雇用派遣)になれば派遣期間に関係なく働き続けられるため、男性は月3万~4万円の賃下げをのんで無期雇用派遣になりました。その直後に「派遣切り」の危機にさらされています。
ソニーは本紙に対し、「ラインを一時的に停止し、再開に動いている」と回答。派遣労働者の処遇については「それ以上の詳細は控える」としました。
ソニーは今年の中間決算で営業利益4345億円(前年同期比20・1%増)と、過去最高更新を発表したばかり。組合は、内部留保が3兆5069億円にのぼると指摘し、雇用を守るよう求めています。