2018年11月11日(日)
免震不正の企業が会員
第三者機関 検証に疑惑
地震時に建物の揺れを抑える免震・制振ダンパーの検査データを改ざんした問題で、国土交通省が改ざんしたメーカーや大手ゼネコンが会員の「第三者機関」に安全性の検証を任せようとしていることが10日までに分かりました。日本共産党の宮本岳志衆院議員に、同省が説明したもの。
国交省は宮本氏に「年内をめどに対象建築物の構造安全性を検証するため、第三者機関の確認を受けるようにする」と説明。宮本氏に同省が提出した資料によると、第三者機関として、一般社団法人日本免震構造協会、一般財団法人日本建築センター、一般財団法人日本建築総合試験所の三つをあげています。
このうち日本免震構造協会のホームページによると、検査データを改ざんし、不適合な製品を設置したカヤバシステムマシナリーや契約内容に適合しないダンパーを設置していた川金コアテックが正会員です。
正会員は89社で、大林組、鹿島建設、清水建設などの大手ゼネコンも名を連ねています。大手ゼネコンはこれらのダンパーを使用した建物を建設しています。
免震ダンパーの検査データ改ざんの背景として、建物の安全を確保するための建築確認検査が民間開放されてきたことが指摘されています。政府は業界の要望に応じて大臣認定制度をつくり、認定基準適合検査を民間任せにする「規制緩和」をすすめてきました。
(日本共産党国民運動委員会・高瀬康正)