2018年11月16日(金)
漁業権 企業に渡すな
田村貴昭議員訴え 改悪法案審議入り
衆院本会議
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戦後の漁業のあり方を全面的に改悪する漁業法改悪案が15日、衆院本会議で審議入りしました。日本共産党の田村貴昭議員が質問に立ち、「漁業政策は94%の小規模沿岸漁業を中心に据えるべきであり、地元から漁業権を奪い企業に明け渡すことは許されない」と批判しました。(質問要旨)
田村氏は、戦前、地元に所在しない企業による支配で漁業利益が都市に流出した反省から、現行の漁業法は民主的に漁場を運用するため漁業協同組合(漁協)に漁業権を一括して与えていると強調。「この漁業法の根幹を変えてしまうことは許されない」と述べ、知事が企業に漁業権を直接付与できるとする点について「恣意(しい)的な運用にならない保証はあるのか」とただしました。
吉川貴盛農水相は「漁場を適切かつ有効に活用する場合は地元の漁業権を継続する」としましたが、田村氏の「それは一体何か」との問いには、明確な基準を示すことができませんでした。
また田村氏は、同法の目的を規定している第1条から「漁業の民主化を図る」の文言を削除している点を指摘。漁場や漁業権について審議する海区漁業調整委員会の公選制を廃止し、知事による任命制に転換する点と合わせ、「漁業者の声を封じるものだ」と批判しました。
田村氏は、魚種ごとの漁獲量の上限を定め、個々の漁船ごとに漁獲枠を割り当てる制度の導入についても、「漁船ごとの漁獲量は正確に把握できるのか」「沿岸漁業者の意見を反映する仕組みはあるのか」と懸念を表明。漁船の大きさを制限するトン数規制の撤廃で「乱獲と小規模漁業者の割り当てが削減される」と警鐘を鳴らしました。