2018年11月24日(土)
日本の温室効果ガス 排出構造変わらず
わずか129事業所から半分
環境NGO調べ
日本の温室効果ガス排出量の半分を、わずか約130の発電所と工場で排出していることが、環境NGO「気候ネットワーク」の調べで、22日分かりました。排出量算定・報告・公表制度が導入されて以来10年間、温室効果ガスの排出構造が「全く変わっていない」としています。
政府が8月公表した2015年度の大口排出事業者のデータを気候ネットが分析。それによると、同年度の日本の温室効果ガス排出量の50%を129の事業所が排出。家庭や中小企業、自家用車は合わせて約30%などとなっています。
129事業所はすべて、発電所、製鉄所、セメント工場、化学工場、製油所、パルプ・製紙工場の6業種です。
また、79発電所の排出量が日本の排出の3分の1を占め、うち35の石炭火力発電所がその排出量の約半分(日本全体の17%)になっています。排出量の多い上位30事業所には、石炭を大量に使う石炭火力発電所や製鉄所が大半を占めています。
「パリ協定」は、世界の平均気温上昇を産業革命前と比べ「2度を十分下回り」、「1・5度未満」を努力目標に、今世紀後半をめどに温室効果ガス排出の実質ゼロを目指すことを定めています。
気候ネットは、排出構造が変わらない限り、これらの目標は実現できないと指摘。石炭火力を「ベースロード電源」と位置づける政府のエネルギー政策は気候変動政策に逆行し、「直ちに見直すべきだ」としています。