2018年11月30日(金)
国会愚弄の暴走許せない
選挙で審判下し、一刻も早く退陣へ
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は29日、国会内で記者会見し、「今国会の安倍政権による国会を愚弄(ぐろう)する暴走はあまりにも目にあまる」と厳しく批判し、「来る参院選で厳しい審判を下し、一刻も早く安倍政権を退陣に追い込む――これが私たちの回答だ」と表明しました。
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志位氏が第一にあげたのは、与党による同日(29日)の憲法審査会の一方的な開催です。志位氏は「与野党の合意で運営するという最低限のルールが乱暴に踏みにじられた」と強く批判。自民党の森山裕国対委員長が野党側に「国対のコントロールが利かなかった。申し訳ない」と謝罪したことにふれ、「官邸主導でこの暴挙が行われたと自民党国対が告白したということだ」と述べました。
その上で、安倍晋三首相が今国会冒頭の所信表明で憲法審査会の運営に事実上の号令をかけ、三権分立をじゅうりんして国会への重大な介入・干渉を行ったと強調。「まさにその具体化として、今日の憲法審の一方的開会が行われた」と重ねて批判しました。
第二は、外国人労働者受け入れを拡大する出入国管理法改定案の衆院通過の強行(27日)です。志位氏は、29日からの首相の外遊日程に合わせた強行だと与党も言明してきたと指摘。政府が国会の最重要法案と位置づける法案を首相の外遊日程に合わせて強行するなど「戦後の国会の歴史でもかつてなかった暴挙だ」と告発しました。
第三の問題は、28日の衆院外務委員会で日ロ領土交渉に臨む政府の基本的立場をただされた河野太郎外相の重大答弁です。河野氏は「交渉に不利になる」と、交渉に臨む政府の基本的立場についての答弁を一切拒否する態度をとりました。あげくのはてに、「(日ロ)平和条約を締結した際には、国会に示す」と言い放ちました。志位氏は「これは平和条約締結までは国会に政府がどういう立場で交渉を進めるか一切説明せず、まったく秘密裏に交渉を続けると宣言したもので、国会を愚弄する暴言だ」と批判しました。
第四の問題は、世耕弘成経済産業相への所信表明に対する質疑が行われた28日の衆院経産委で、世耕氏が20カ国・地域(G20)首脳会議に出席する総理への「レク」(事前説明)を理由に35分間も中座した問題です。志位氏は「これも前代未聞だ」として、憲法63条が定める閣僚の国会出席・答弁義務を無視した暴挙だと指弾しました。
さらに志位氏は、29日の衆院本会議では漁業法大改悪案の採決と日欧経済連携協定(EPA)の承認がいずれも“日程ありき”で強行されたことを強く批判しました。
志位氏は「これらは、衆参両院で3分の2の議席を持っているから“何をやっても許される”という与党のおごりの表れだ」と述べました。
「同時に、どの問題でも国民にまともな説明ができないから審議を(十分)やらず、“日程ありき”で強引に押し通している。安倍政権の行き詰まりともろさ、破綻を示すものだ」と強調しました。