2018年12月1日(土)
稲田自民副幹事長 防衛相在任中
軍需企業がパーティー券購入
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安倍晋三首相が側近として重用する稲田朋美・自民党筆頭副幹事長が防衛相在任中の昨年7月、防衛省の受注企業23社から計114万円分のパーティー券購入を受けていたことが、総務省が30日に公表した2017年分の政治資金収支報告書でわかりました。発注者である防衛相のパーティー券を受注企業に購入してもらうことは、閣議決定された大臣規範に抵触する疑いがあります。
稲田氏は、防衛相を辞任する直前の17年7月6日に、九州北部豪雨で自衛隊が救助活動に当たる中、「勉強会」出席するためとして防衛省を約1時間、留守にしていました。
この行動は、防衛相としての資質を疑われるものとして批判を浴び、稲田氏は翌日7日に予定していた政治資金パーティーを中止し、パーティー券購入者に返金をしています。
稲田氏の資金管理団体「ともみ組」の収支報告書(17年分)には、返金先の企業・団体や個人など1500万円ものパーティー券購入者が記載されています。
これによると17年度に防衛省との契約実績上位20社のうち10社が、パーティー券を購入していました。
2457億円分を契約し、1位だった三菱重工業は10万円分を購入していました。川崎重工業(2位、1735億円)と日本電気(3位、1177億円)は6万円などとなっています。
最も多く購入していたのは、JXTGホールディングスの20万円です。子会社は航空タービン燃料の納入を193億円で契約しました。
この他にも車両を納入している日産自動車や弾薬や火薬を納入する企業も稲田氏のパーティー券を購入していました。
大臣規範では「服務の根本基準」として「公私混淆(こんこう)を断ち、職務に関して廉潔(れんけつ)性を保持する」と定めています。
稲田氏は、防衛相在任中に南スーダンPKOの日報での虚偽答弁や、都議選での応援演説で「防衛省・自衛隊としてお願いしたい」と自衛隊を“私物化”する発言などで資質が疑問視され、同年7月28日に辞任しています。
パーティー券購入 献金は5万円を超えると政治資金収支報告書に献金者を記載しなければなりません。他方、パーティー券は、1回につき20万円以下なら購入者を記載する必要がありません。購入金額の上限はパーティー1回につき150万円です。購入回数には制限がありません。パーティーを開くごとに20万円以下で買えば、企業・団体名を明らかにしないで多額のパーティー券を購入できます。パーティー券は形を変えた企業献金と指摘されています。