2018年12月4日(火)
国内の酪農 打撃深刻
井上議員 日欧EPAを批判
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日欧の経済連携協定(EPA)が3日、参院本会議で審議入りし、日本共産党の井上哲士議員は質問で、農産品の82%の関税撤廃を約束し、政府が「重要」としてきたチーズなどで環太平洋連携協定(TPP)水準以上の譲歩を行うものだとして「国内の酪農に一層深刻な打撃となる」と批判しました。
欧州連合(EU)で法案策定などを担う欧州委員会は7月、日欧EPAにより加工食品の対日輸出は51%、10億ユーロ(約1300億円)増加し、特に乳製品は215%、7億2900万ユーロ(約948億円)増加するとの試算を公表。井上氏は、乳製品の国内生産の減少額を最大でも203億円とする日本政府の影響試算を挙げ「両者の試算は全くかけ離れている。『あまりにも楽観的すぎる』との指摘にどう答えるのか」と迫りました。
吉川貴盛農水相は「(欧州委の)試算の前提や根拠が明らかでないためコメントは差し控える」と答弁。日本政府の試算は「輸入が増えることを前提として試算したものではない」としながら、国内市場が拡大する見込みは示せませんでした。
井上氏は、日本からEUへの農林水産物輸出が期待できるかのように説明する政府に対し、「EUが設ける動物検疫等により日本から輸出が禁止されている品目が少なくない」と指摘しました。