2018年12月6日(木)
「ピンはね構造 お膳立て」
入管法改定案 参考人から警告相次ぐ
参院法務委
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参院法務委員会は5日、外国人労働者の受け入れを拡大するために新たな在留資格をつくる出入国管理法改定案の参考人質疑を行いました。参考人からは「外国人技能実習制度の劣化コピーだ」との指摘がされ、中間団体が外国人を搾取する技能実習制度の構造が新制度でも温存・拡大されるとの警告が相次ぎました。
神戸大学大学院の斉藤善久准教授は、技能実習制度での、監理団体の名を借りた民間人材ビジネスによる搾取の構造が、新制度では「さらに危ない形で引き継がれる」と指摘。「新制度の『支援機関』は届け出制で営利企業も可能だ。転職を認めることと併せ、人材ビジネスが管理する外国人労働者をあちこちの会社や現場に送り、ピンはねする搾取構造をお膳立てするだけだ」と批判しました。
さらに、技能実習制度を維持して新制度をつくる意味について、「つらいこと、理不尽なことも多い技能実習で働き抜いた、おとなしくて我慢強い人を選別すること」と「『新制度でさらに5年働かせてやるから実習生になれ、辞めるな』と迫ることだ」と述べました。
日本共産党の仁比聡平議員は、“新制度は外国人労働者の合意と自由意思に基づく”との山下貴司法相の答弁に触れ、「外国人労働者に『自己責任』を求めていいのか」と質問。斉藤氏は「ブローカーを通じて就労せざるをえない人が大多数だろう」と答え、移住者と連帯する全国ネットワークの高谷幸理事は「自由意思を発揮できる環境はない」と述べました。