2018年12月15日(土)
辺野古 政府が土砂投入強行
県民の怒りさらに
“あきらめない”声広がる
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沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、政府は14日、辺野古埋め立て土砂の投入を強行しました。開始したのは辺野古崎南側のN3、N5護岸などで囲まれた一角。2015年10月に始まった辺野古「本体工事」は重大な局面に入り、新基地阻止のたたかいは新たな段階に入りました。
埋め立て用土砂を積んだ作業台船は同日午前9時すぎに大浦湾側のK9護岸に接岸。大型ダンプが次々と台船に進入し、土砂を積んで辺野古崎に向かいました。ダンプはN3護岸に進入し、午前11時すぎから土砂の投入を開始しました。現場ではそのたびに、「ザザー」という音が鳴り響きました。
土砂投入作業は午後4時すぎまで継続。台船にはまだ土砂が残っており、15日以降、搬出の継続を狙っているとみられます。さらに、大浦湾には土砂を積んだ運搬船が2隻停泊しています。
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菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「辺野古が(普天間基地問題の)唯一の解決策」だと述べ、あらためて新基地建設を強行する考えを示しました。
しかし、現場では土砂投入に抗議する怒りの声が相次ぎ、政府が狙っている「あきらめ感」が広がるどころか、さらなる怒りの炎が燃え広がりました。
海上では数十隻の抗議船やカヌーなどが「海を殺すな」「沖縄の未来は沖縄が決める」などと書かれたプラカードをかかげたり、臨時制限区域を示すフロート(浮具)に「新基地建設反対」の横断幕をはりつけ、抗議の意思を示しました。
11時に土砂投入が始まると、抗議船船長の仲本興真さんは「政府は違法工事をやめろ。海上保安庁は、沖縄の宝の海を破壊する違法工事に手を貸すな」と訴えました。
米軍キャンプ・シュワブのゲート前には明け方から人々が集まり、安倍政権の暴挙に怒りの声を上げました。
沖縄県の玉城デニー知事はキャンプ・シュワブゲート前に集まった人々に「国は工事を進めて既成事実を積み重ね、県民をあきらめさせようとしているが、逆に県民の強い反発を招き、工事を強行すればするほど県民の怒りは燃え広がることを認識すべきだ」とメッセージを送りました。
午後からは辺野古の浜で県民集会が開かれ、約1000人が参加。「違法工事はやめろ」「土砂投入をやめろ」と気勢を上げました。
政府の当初の計画では14年から埋め立て土砂の投入を開始し、18年にはほぼ完了する計画でしたが、大幅に遅れています。