2018年12月21日(金)
原爆症認定 公正に
日本被団協、厚労相と定期協議
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日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、原爆症認定集団訴訟全国原告団、同全国弁護団と根本匠厚生労働相との定期協議が20日、厚生労働省で行われました。
日本被団協は、「原爆症認定制度のあり方に関する提言」の実行、および「一連の高裁判決を踏まえた原爆症認定基準に関する当面の要求」を早急に実現することを求めました。
日本被団協の木戸季市(すえいち)事務局長は、「被爆者の実態に即した公正平等な被爆者行政を行ってほしい」と強調し、「当面の要求」は、がん・非がんの別なく、疾病、被爆距離、入市時間・地域を一本化したもので、「現行法の改正を必要としません。大臣の決断で実行できる要求です」と説明しました。
ノーモア・ヒバクシャ訴訟(東京2次)控訴審で14日に勝訴した山本英典さんは、上告しないよう求めるとともに、「全国でまだ裁判が続いている。救済の措置を」と訴えました。
広島で被爆した山田玲子さん、長崎で被爆した横山照子さんが被爆体験を語り、「1発の原爆が大量無差別に市民を殺し、その放射能が長年にわたって市民を苦しめ続けています」と、国の責任ある対処を求めました。
根本厚労相は「認定基準の見直しは困難。改善できることは改善したい」と表明。被爆者らは、「当面の要求」の実現を繰り返し求めましたが、前向きの発言はありませんでした。
厚労相は山本さんの判決についての上告断念要請について「対応を検討中で、コメントは控えたい」と回答。傍聴者から失望の声がもれました。
鹿児島県原爆被爆者協議会副会長で県原爆被爆二世の会会長の大山正一さんが、被爆二世を対象とした健康診断の充実などを要望しました。