2018年12月30日(日)
TPP11きょう発効
関税82%撤廃 国内農業に打撃
環太平洋連携協定(TPP)に署名した12カ国のうち、離脱した米国を除く11カ国の新たな協定(TPP11)が30日、発効します。日本共産党農林・漁民局長の紙智子参院議員は、TPP11の発効について談話を発表しました。
TPP11は、日本、メキシコ、シンガポール、ニュージーランド、カナダに続き、6カ国目のオーストラリアが10月31日、承認のための国内手続きの完了を通告したことで、60日後の30日に発効することになりました。その後、ベトナムも11月12日、国内手続きを完了しました。
米国が離脱しても、国境を越えて利益を追求する多国籍大企業に奉仕して、国民生活や地域経済を圧迫し、貧困と格差を広げる本質に変化はありません。
TPP11で関税が撤廃される農林水産物は、関税品目でみて82・3%を占めます。国会決議が交渉の対象にしないよう求めた米、麦、牛・豚肉、乳製品、砂糖でも、関税撤廃は28・6%にのぼります。国内農業への打撃は明らかです。
離脱求め食料主権守る
紙智子農林・漁民局長が談話
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TPP11は、多国籍企業の利益を最優先し、国民の暮らしや権利を犠牲にし、各国の経済主権・食料主権を侵害する危険なものです。
日本農業は、従来の規模をはるかに超えた輸入自由化が押し付けられ、甚大な打撃を受けるのは必至です。来年2月には日本欧州連合経済連携協定(日欧EPA)も発効します。食料自給率のさらなる低下を招き、農業が守っている国土や環境の荒廃、地域経済に重大な影響がでるのは避けられません。
重大なのは、米国との間で1月から自由貿易協定(FTA)交渉が始まることです。米国からTPPを出発点にそれを大幅に上回る市場開放を突き付けられ、日本農業が身ぐるみはがされるのは必至です。物品交渉に限定という安倍政権の説明は詭弁(きべん)であり、あらゆる分野で米国の身勝手な要求を押し付けられる場になるのも明白です。
日本共産党はTPP11からの離脱、一部品目ではTPP以上の市場開放が迫られる日欧EPAの解消、日米FTA交渉の中止を求め、各国の経済主権・食料主権を尊重する貿易ルールの確立めざし全力をつくします。そのために、国民的な共同と運動の発展を呼びかけます。