2018年12月30日(日)
なんだっけ
BPOって?
Q 「BPO」という組織の名前を聞くけど?
A 放送倫理・番組向上機構のことだね。放送の自主・自律と倫理の高揚に寄与することを目的に2003年、NHKと民放各社によって設置された第三者機関だ。放送倫理検証、放送人権、青少年の三つの委員会がある。最近では、週刊誌で「海外ロケの企画をでっち上げた疑いがある」と報じられた日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」について、放送倫理検証委員会が同局に報告を求め、審議を始めている。
Q 「ニュース女子」の問題でも注目されたね。
A 東京MXテレビが昨年1月、沖縄の基地建設反対運動をデマでゆがめた番組を放送した。放送倫理検証委員会は昨年12月、「重大な放送倫理違反があった」と認定。放送人権委員会も今年3月、「人権侵害があった」としてMXに勧告した。
Q 政治の側から圧力が強められているけど?
A やらせが指摘されたNHKの「クローズアップ現代」“出家詐欺”報道へのBPO意見(15年11月)のなかで注目すべき指摘をしている。総務相がNHKに厳重注意したことを「政府が個別番組の内容に介入することは許されない」と強く批判、局幹部を党本部に呼びつけた自民党に対しても「圧力そのもの」と厳しく断じたんだ。BPOには、公権力が放送に介入しないための盾としての役割がある。放送局は、萎縮したり、忖度(そんたく)するのではなく、権力の介入に毅然(きぜん)とし、放送の自由を自らの手で守ることが求められている。
(2018・12・30)
■放送倫理検証委員会のおもな決定
17年2月 2016年の選挙をめぐるテレビ放送(NHK・民放連)
10月 「白熱ライブ ビビット」の「多摩川リバーサイドヒルズ族エピソード7」(TBS)
12月 「ニュース女子」沖縄基地問題特集(東京MX)
18年2月 「とくダネ!」二つの刑事事件の特集(フジ)