2019年1月24日(木)
「特定技能」も使い捨て
改定入管法 偽装請負横行の危険
衆院閉会中審査 藤野議員が追及
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衆院法務委員会は23日、改定出入国管理法で新設される在留資格「特定技能」に関する閉会中審査を行いました。日本共産党の藤野保史議員は、シャープ亀山工場(三重県亀山市)での外国人労働者の大規模雇い止め問題をとりあげ、同様の「使い捨て労働」が特定技能で起きる危険を追及しました。
藤野氏は、昨年末に行った現地視察での、みえ労連、ユニオンみえ、雇い止めされた当事者への聞き取りをもとに質問。ある外国人労働者は2年間で、複数の3次下請け会社(請負会社)と13回にわたって契約を繰り返し、最短3日、長くても2カ月の超短期契約だったと告発しました。労働者の証言によれば、現場ではシャープ社員が直接指示を出していたことも明らかにしました。
「違法行為だ」と迫る藤野氏に対し、厚生労働省の田畑一雄大臣官房審議官は、一般論と断りつつ、発注者が労働者に指揮命令をしていれば偽装請負にあたると述べました。
藤野氏は、「『特定技能』制度でも、請負会社が直接雇用の形で外国人を雇うことは可能ではないか」と追及。法務省の佐々木聖子入国管理局長は可能だと認めました。
藤野氏は、大手電機メーカーでは重層下請け構造が築かれ、好きな時に好きなだけ雇い止めできる偽装請負が後を絶たないと指摘。この是正がないまま、請負会社が「特定技能」外国人も雇えるのなら「雇用の調整弁とされる外国人労働者を新たにつくり出すことになる」と批判しました。
山下貴司法相は、特定技能外国人を受け入れる企業等には、解雇などの非自発的な離職をさせていないとの基準を設け「調整弁的に離職させることがないようにする」と強弁しました。
藤野氏は、シャープの事例では、雇い止めされた労働者の8割超が「自己都合」で、日本語がおぼつかない外国人労働者が「自己都合」に誘導される事態が多発していると指摘。山下法相の答弁には何の保証もないと批判し、現状を改善することなく4月から新制度を強行するべきではないと主張しました。