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2019年2月9日(土)

辺野古軟弱地盤 最深90メートル

杭は7.7万本必要

砂650万立方メートル 新基地は不可能

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で問題となっている軟弱地盤が、最も深いところで水深90メートル(海面から海底まで30メートルプラス地中60メートル)に達することが8日までに分かりました。専門家は、これだけの深さの地盤改良工事は前例がなく、技術的にも極めて困難だと指摘しています。


図

 防衛省沖縄防衛局が2014年から16年まで行った海底掘削(ボーリング)調査では、軟弱地盤は最も深いところで約70メートルとされていましたが、防衛局が今年1月、国交相に提出した資料には追加のボーリング調査結果が記されていて、大浦湾の東側にある「C1護岸」の下に、水深30メートルの海底面から下に60メートルにわたって軟弱地盤の層がありました。

 また、政府は地盤改良で埋め立て区域の大浦湾側に砂杭(すなぐい)を打ち込みますが、護岸部分はサンドコンパクションパイル(SCP)工法で3万8945本、埋め立て部分はサンドドレーン工法で3万7754本、合わせて7万6699本になることが分かりました。

 地盤改良区域の面積は約65ヘクタール、新基地建設の埋め立て区域160ヘクタールの4割近くになります。さらに、砂杭に使用する砂の量は東京ドーム5・25杯分にあたる約650万立方メートルに達します。

 政府は近く沖縄県に地盤改良工事のための設計変更申請を行う考えです。しかし、辺野古新基地反対の玉城デニー知事が申請を承認するはずがない上に、工事自体も重大な問題を抱えており、辺野古新基地建設は法的にも技術的にも不可能であることが鮮明になりました。


この深さで工事 実績なし

日本大学理工学部准教授(土木工学) 鎌尾彰司さん

 水深70メートルの地盤改良工事の実績も聞いたことがなく、水深90メートルとなると、想像もつきません。90メートルに対応できる地盤改良船が国内にあるとは考えにくく、極めて困難な作業になることは避けられません。作業船が届くところまで砂杭を入れ、その下は軟弱地盤を未改良のままにするしかないでしょう。

 護岸を置いたのち、護岸・改良した砂・埋め立て土の重さが、未改良地盤に伝わるため、地盤沈下を許容した基地となるしかないと思います。しかしながら護岸は、埋め立て区域を支える最も重要な箇所です。護岸が沈下・変形するようでは、埋め立て自体が成り立たなくなります。

 7万数千本の砂杭は、地盤改良船の数を増やせば短期間で打ち終えることができますが、環境破壊になるので、通常では4、5年かかるでしょう。

 砂杭に使う砂量についても、東京ドーム約5杯分に相当する砂をどのように調達するかも大きな問題です。


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