2019年2月16日(土)
所得税法改定案に対する宮本徹議員の質問(要旨)
衆院本会議
日本共産党の宮本徹議員が14日の衆院本会議で行った所得税法改定案に対する質問の要旨は次の通りです。
本法案の最大の問題は、10月からの消費税増税強行です。消費税導入から30年。社会保障財源確保のためと称し、税率引き上げを繰り返しましたが、国の税収は税率3%だった1990年度は60・1兆円、税率8%の2018年度が59・9兆円と同水準にとどまっています。法人・富裕層減税を重ねたことが大きな要因です。年金削減など社会保障改悪の連続で、社会保障のためとの説明は全くのまやかしです。
30年間の消費税収は372兆円。同じ期間に法人3税は290兆円減り、企業の内部留保の中心=利益剰余金は300兆円以上増えています。庶民から大企業への富の移転が消費税30年の真実です。
町では多くの商店から、前回の増税で落ち込んだ売り上げが戻らないとの悲鳴を聞きます。わが党の志位委員長に総理は消費が回復していないと認めるなど消費税増税の根拠は総崩れです。
総理は、増税分を全て還元する規模の十二分な対策を講ずると言います。それほど景気落ち込みが心配なら、初めから消費税増税ではない選択肢を考えるべきです。法人税の課税強化こそ、内部留保が実体経済に還流し、大きな経済効果が期待できます。
ポイント還元は、キャッシュレス決済の手段を持たない人には何一つ還元がない一方、富裕層がキャッシュレスで100万円のブランドバッグを買えば5万円のポイント還元。あまりに不公平です。
政府はポイント還元の予算が不足すれば補正での積み増す可能性を否定していません。そのための赤字国債発行など愚の骨頂です。
零細業者がキャッシュレス決済を導入しても手数料や設備費用に見合う利益の保証はなく、キャッシュレス決済導入を避ければ売り上げが落ち込みます。天下の愚策、ポイント還元はやめるべきです。
消費税の複数税率にコンビニ店主には戸惑いが広がっています。国税庁は、イートインコーナーで食べる場合は申し出るよう店に掲示すれば、レジで申し出がなくても一律8%でよいと説明します。総理は、テイクアウトだと言って店で食べる子どもに注意するのが、おとなの義務だと過去に答弁しました。注意するのか放っておくのか、どちらが政府の公式見解ですか。
消費者アンケートでは外食を減らすとの回答が顕著で、外食産業が打撃を受けるのは明らかです。
中小企業団体がこぞって反対しているのが複数税率に伴うインボイス制度導入です。
インボイスが発行できない免税事業者にとどまれば取引から排除され、売り上げが減り、仕入れ税額控除ができない分の値引きを取引先から求められます。500万免税事業者の多くが課税事業者にならざるを得ず、煩雑な事務負担と重い税負担がかかります。地獄の選択を強いる制度の導入は断念すべきです。
低所得者ほど負担が重い逆進性など根本的欠陥がある消費税の増税は中止し、応能負担の税制改革に踏み出すよう強く求めます。