2019年2月23日(土)

結論書き換えの疑い

有識者検討会　秘書官意見と同日に

　毎月勤労統計の不正・賃金偽装問題で、中江元哉元首相秘書官が在任時の２０１５年に同統計の調査方法の意見を伝えたことで厚労省の有識者検討会の議論の結論が書き換えられた疑いがあることが２２日の衆院予算委員会で明らかになりました。

　厚労省の姉崎猛・統計情報部長（当時）が、２０１５年９月１４日に同統計の調査方法の変更について議論をしていた検討会の状況を中江氏に報告した際、「（中江）秘書官からは『コストよりも実態を把握する観点から部分入れ替えもあるのではないか』というコメントがあった」と答弁。検討会が取りまとめを予定していた中間的整理案の文言を同日、書き換えたことを認めました。立憲民主党会派の小川淳也議員への答弁です。

　検討会の中間的整理案の書き換えは、中江首相秘書官が姉崎統計情報部長と面会し、調査手法の変更について言及した９月１４日に行われています。同日午後２時１分時点で「現在の総入れ替え方式で行うことが適当」としていた文言が同日午後１０時３３分時点で「入れ替え方法については、引き続き検討」との表現に書き換えられていました。

　姉崎氏は、調査方法の変更について「秘書官の発言は指示ではなくてコメントと受け止めていた」と中江氏の影響を否定し、「総入れ替え方式も部分入れ替え方式も両方とも検討するという整理にしようと私が決めた」と述べました。