2019年3月13日(水)
入試面接で差別的質問
医学連が調査 医師の環境改善を
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大学医学部の不正入試問題を受け、全日本医学生自治会連合(医学連)は12日、全国の医学生を対象とするアンケート調査の中間結果を発表しました。全体の14%が「結婚や出産などライフイベントに関する質問をされた」と回答。「出産はあなたにとってメリットか」などを問われた女性もいました。
全体の70%が「将来の働き方について不安に思う」と答えました。
調査は、昨年11月から今月末まで、全国81大学の医学生に回答用紙やネットを介して実施中。50大学2186人(2月1日時点)が回答を寄せました。
厚生労働省内で会見した山下さくら委員長(宮崎大5年)は、相対的に労働力が低いと考えられている女性や年齢が高い人への差別があると述べ、背景には過酷な医師の働き方があると指摘。「男性が育児する場合なども含めた、多様な働き方ができる労働環境や意識改革を望みます」とのべました。
医学連は、調査結果を受けて提言を発表。厳しい長時間労働を引き受けられる人材が求められる労働環境が差別を生んでおり、「労働環境改善は何より急務」と強調。柔軟なキャリア設計を保証する研修制度などを提案しています。
調査結果は医学連ウェブサイトで公表しています。
医学連アンケート調査
【調査結果(概要)】回答者2186人
(女性1257人、男性890人、無回答39人)
▼全体の14%「結婚や出産などライフイベントに関する質問をされた」
・結婚した際に、家庭と仕事についてどのように考えているか聞かれた(女性・5年)など
▼再受験生の25%「年齢に特化した質問を受けた」
・3浪しているが、今回も落ちたら次はどうするか聞かれた(女性・3年)など
※再受験生とは、他大学や他学部に一度入学後、再受験した学生
▼全体の70%「将来の働き方について不安に思う」
・医師が心も体も健康を保てるような環境が整っているとは到底思えない(女性・6年)
・現場で働く医師の過重労働が、やがて医療ミスへとつながる(男性・2年)など