2019年3月16日(土)
主張
統一地方選と憲法
厳しい審判で9条改憲ノーを
告示が目前に迫っている統一地方選は、消費税増税ノーや国民健康保険料(税)の引き下げとともに、安倍晋三首相が固執する憲法改悪の阻止が大きな争点です。自民党は地方選の政策パンフで、「時代の転換期にある今、憲法改正に向けて、国民的な議論を盛り上げ、取組みを更に強めます」と明記し、改憲推進の意向を隠しません。政権与党の自民党と公明党をはじめ改憲勢力に厳しい審判を下し、安倍政権もろとも、改憲策動を葬ることが重要です。
地方で策動強める自民
秘密保護法の制定や安保法制=戦争法の強行など憲法破壊政治を繰り返したあげく、一昨年の憲法記念日に改憲派の集会メッセージなどで9条に自衛隊を書き込む等の明文改憲を持ち出した安倍首相は、その後もことあるごとに改憲発言を繰り返し、執念をあらわにしています。安倍首相が目指した昨年の国会に自民党の改憲案を提示することは、市民と野党の反対で実行できませんでした。衆参両院の憲法審査会での審議を強行し、3分の2以上の賛成で改憲案を発議、国民投票に持ち込むという改憲スケジュールは、思惑通りには進んでいません。しかしそれでもなお安倍首相は、改憲をあきらめません。
最近は、「自衛隊員募集に6割以上の自治体が協力しない現状は残念」で、この状況に「終止符」を打つために改憲が必要と言い出しました。改憲の狙いの一つが自治体に隊員募集への協力を「強制」し、若者を戦争に駆り出すためであることを浮き彫りにしています。
自治体の隊員募集への協力は義務ではありません。自衛隊法の施行令で「必要な報告又は資料の提出を求めることができる」(120条)とあるだけで、協力するもしないも自治体の判断です。改憲で自衛隊を憲法に書き込み、自治体に協力を強制し、国民を戦争に動員しようというのは、国民にとってはもちろん、自治体のあり方と地方自治の原則にかかわる大問題です。「戦争する国」づくりは許されません。統一地方選での「安倍改憲ノー」の審判が不可欠です。
自民党は“草の根”からの改憲運動を目指し、衆院小選挙区支部ごとに改憲推進本部を立ち上げ、最近、「国民の幅広い理解を得て、憲法改正を目指します」というビラを大量に発行しています。国会議員にも「日本国憲法改正の考え方 『条文イメージ(たたき台素案)』Q&A」という資料を配り、改憲世論の盛り上げに躍起になっています。
しかし、最新の共同通信の世論調査でも、改憲「反対」は51・4%(「東京」11日付など)となっているように、国民は改憲を望んでいません。国民が求めていない改憲を首相が先頭に立って押し付けるのは、憲法で権力を縛るのが原則の、立憲主義破壊の極みです。
主権者の力で断念させる
安倍首相の改憲策動を断念させるには、「9条の会」や3000万人署名など、草の根の運動の広がりと、統一地方選・参院選での主権者・国民の審判が必要です。
日本共産党は、「憲法9条を壊す安倍改憲にストップを」と明確に主張し、市民と野党の共闘で改憲を阻止するため力を尽くします。
統一地方選・参院選でこの日本共産党が躍進することこそ、改憲を阻む最も確かな保障です。