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2019年4月4日(木)

衛星管制で過労自殺認定

JAXA施設 長時間夜勤やパワハラ

遺族ら会見

写真

(写真)過労自殺した佐藤幸信さんの遺影とともに会見する母の久恵さん=3日、厚労省内

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センター(茨城県つくば市)で、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」の管制業務についていた佐藤幸信さん=当時(31)=が、長時間夜勤と残業、パワハラのすえ過労自殺し、土浦労働基準監督署が2日、労災認定したことが分かりました。遺族と弁護士が3日、厚生労働省で会見し、公表しました。

 佐藤さんは2010年、ソフトウエア会社エスシーシーに入社。15年10月から、グループ企業「宇宙技術開発」(SED)に出向してJAXA施設内で働き、16年10月11日に自殺したとみられます。

 24時間体制の管制で、夜勤には16時間勤務(2日分連続)が導入されており、佐藤さんは月7回(14日分)の夜勤がありました。

 管制の合間にソフト開発業務も負わされ、月70時間超の残業がありました。上司からサービス残業の強要、叱責などを受けていました。労基署は、認定基準項目の「達成困難なノルマ」「上司とのトラブル」などが重なったと判断しました。

 会見で母親の久恵さん(60)=大分県在住=は、「認定までたどりついたが、終わりではない。息子を死に至らしめた真実にたどりつきたい」と述べました。

 川人博弁護士は、「夜勤では70時間残業でも負担が大きい。現在の残業規制では夜勤規制が甘く、合法になる」と問題を指摘。「発注者として、JAXAや環境省も改善に取り組むべきだ」と強調しました。


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