2019年4月4日(木)
家賃払うと1日677円
東京私大教連公表 私大生仕送り額最低
18年度調査
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首都圏の私立大学の学生への仕送りが過去最低になったことが3日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査結果で分かりました。仕送りから家賃を除くと生活費にあてることができるのは1日平均約677円。奨学金の申請者も減る傾向にあり、多くの学生がアルバイトなどで生活費を賄わなければならない状況をうかがわせます。
調査は2018年度に東京、栃木、茨城、埼玉、千葉、神奈川の1都5県の14大学・短大に入学した新入生の保護者を対象にアンケートを実施し、4181件の回答を得ました。
入学直後の出費がかさむ時期を過ぎた6月以降の仕送り額は平均月8万3100円で、前年度比3000円減で、調査開始以来、過去最低でした。一方、学生の毎月の家賃は平均月6万2800円で、仕送りから家賃分を引いて月30日で割ると1日あたり約677円になります。
奨学金については57・6%が「希望する」ですが、うち実際申請したのは59・9%にとどまりました。申請しなかった理由は「申請基準に合わない」45・6%、「返済義務がある」25・8%。
調査には「母子家庭で親は障害者。私大の負担が想像以上に大きく大変だが、利子がつく奨学金は避けたい」「大学生の息子と私は1日1食」など切実な声が寄せられました。
東京私大教連の平林宣和・私大助成部長は「私立大学への補助金の大幅な増額によって学費負担を軽減し、奨学金制度を抜本的に拡充することが不可欠」と強調。政府が進める「高等教育無償化」は「今回の調査に苦しい声を寄せたほとんどの世帯を対象からはずすもの」と批判しました。
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